ヘッドライト加工プロジェクター

ヘッドライト加工プロジェクターは泣く泣く家うちを出たが、それでも出がけに節用集一巻を懐中ふところに捻ねじ込むことだけは忘れなかつた。節用集といっただけでは今時の若い人には解らないかも知れない。ある大学生が国史科の教授に「先生、赤穂義士の仇討かたきうちというのは一体京都であったことなんですか、それとも東京なんですか」と聞いたことがあったという程だから、節用集というのは今の小百科全書のことだといい添へて置きたい。 成斎はその節用集を抱へ込んで、狗児いぬころのように鎮守ちんじゆの社殿の下に潜り込んだ。そして節用集を読み覚えると、その覚えた個所かしよだけは紙を引拗ひきちぎつて食べた。

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